ハラスメントが起きない職場づくり

ハラスメントが起きない職場づくり

ハラスメント(Harassment)とは、様々な場面での『嫌がらせ、いじめ』のことです。

その種類は様々ですが、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します。被害を受けた方はメンタル不調に繋がりやすく、職場いじめ1件がもたらすコストは約411万円※になるというデータも。

本日は数あるハラスメントの中でも、特に職場で起こりやすい「パワハラ」に焦点を当て、ハラスメントが起きない職場づくりのための予防策をお伝えします。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)資料より

目次

パワハラとは

パワハラの定義

厚生労働省は「職場のパワーハラスメント」を以下のように定義しています。

 ・優越的な関係を背景とした言動

 ・業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

 ・労働者の就業環境が害されるもの(精神的・身体的苦痛を与える言動)

上記要素をすべて満たすものはパワハラに該当します。客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

職場に影響を及ぼすパワー

職場には、影響を及ぼす様々なパワー(力)が存在しています。これらがパワハラが起こりやすい状態を作っています。

 

評価の力

  雇用や報酬、キャリアに対して直接影響する

集団の力

  同調圧力で多数派が少数派の意見や気持ちを排除する

正義の力

  信念やルールを背景に自己の価値観を他者に強要する

それぞれ独立しているわけではなく、複合している場合が多い

パワハラに「該当する例」と「しない例」

パワハラに「該当する例」と「該当しない例」をまとめました。

1. 身体的な攻撃

該当する例

・殴打、足蹴り
・相手に物を投げつける 等

該当しない例

・誤ってぶつかる 等

2. 精神的な攻撃

該当する例

・人格を否定するような言動(相手の性的思考・性自認に関する侮辱的な言動を含む)

・相手の能力を否定し、罵倒する内容のメールなどを相手を含む複数の労働者に送信

該当しない例

・遅刻など社会的ルールを欠いた言動がみられ、再三注意しても改善されない労働者に一定程度強く注意

・企業の業務内容や性質に照らして、重大な問題行動を行った労働者に一定程度強く注意

3. 人間関係からの切り離し

該当する例

・自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、⾧期間にわたり別室に隔離したり、自宅研修をさせる

・一人の労働者に同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる

該当しない例

・新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施

・懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復職させるため、一時的に別室で必要な研修を受けさせる

4. 過大な要求

該当する例

・⾧期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる

・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する

該当しない例

・労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる

・業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せる

5. 過小な要求

該当する例

・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる

・気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない

該当しない例

・労働者の能力に応じて、一定程度、業務内容や業務量を軽減する

6. 個への侵害

該当する例

・労働者を職場外でも継続的に監視、または私物の写真撮影をする

・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する

・相手の能力を否定し、罵倒する内容のメールなどを相手を含む複数の労働者に送信

該当しない例

・労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等をヒアリングする

・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得て、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促す。

パワハラが起きない職場にするためにできること

ハラスメントを予防する組織づくりのためにできることをまとめました。

1. ハラスメントに関する正しい知識をインプットさせる

上記であげたような、「どの行動がハラスメントに該当するのか」は人によって持っている知識が異なる場合があります。ハラスメントに関するマニュアルを公開したり、パワハラ研修を行うなど、従業員が正しい知識を持てるよう配慮することが必要です。

2. シグナルを見逃さない風土をつくる

大事に至る前には必ず予兆があります。不正や事故、労働紛争などに繋がる前に、従業員のシグナルを見逃さないような仕組みを作りましょう。相談窓口の設置はもちろん、社内アンケートなども活用しましょう。

3, 風通しのよい職場をつくる

パワハラが起きる原因は「上司と部下のコミュニケーション不足」と言われています。深掘りしていくと、両者間で理解不足が起きていたり、お互いに適切なコミュニケーションが取れていないということが起きているようです。上司のマネジメント力向上を支援したり、階層別に研修を行うなど、働きやすい環境を作っていくことが必要です。

エン・ジャパンでご支援できること

エン・ジャパンでは、パワハラ防止マネジメント研修を提供しています。ハラスメントの基礎理解から部下との関わり方まで、組織コミュニケーションを円滑にする要素を凝縮。ご興味がございましたら、ぜひ以下よりお問合せください。

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