「ワークハッピー企業」とは         

①働きがいはあるが、働きやすくない「ワーカホリック企業」

仕事は面白くてやりがいがあるものの、働く環境は極めてタフな職場です。働きやすさの面では難がありますが、企業の置かれているステージに応じて、ワーカホリック型が推奨されるケースもあります。たとえば、会社設立のタイミングや、新規事業の立ち上げ時期や、変革が必要な節目などは一定の成果を上げるまではワーカホリックに徹するという選択も考えられます。とはいえ、長期にわたってワーカホリックが続くと従業員がつぶれてしまいますから、時期とタイミングを考える必要があるでしょう。

②働きやすくても、働きがいが小さい「ぬるま湯企業」

家庭の事情などで働き方に制限のある人にも活躍してもらうための配慮は望ましいことです。ただ、「働きやすさ」ばかりに目が向き、個人の「働きがい」への配慮が足りないと「ぬるま湯企業」に転落します。今、「働きやすさ」を追求する多くの企業が「ぬるま湯企業」に足を突っ込みかけているのではないでしょうか。こういった企業では責任を果たさずに権利だけ主張する勘違い社員が増えるリスクが高まります。

③働きやすさも働きがいも小さい「ブラック企業」

会社の目的やビジョンが共有されず、自分が何のために仕事をしているのかもわからないまま、劣悪な就労条件のもとひたすらに長時間労働を課せられるのが「ブラック企業」です。いつ抜けるかわからないまま真っ暗なトンネル延々と走らされている状況では、人間はいつか精神を病んでしまいます。

④働きがいのために働きやすさのある「ワークハッピー企業」

「働きがい」のために「働きやすさ」が配慮されているのが、「ワークハッピー企業」です。ここでは、経営者や管理職は、従業員や部下一人ひとり働き方への制約や制限には配慮しますが、だからといって、求める仕事の価値や目標レベルを下げることはしません。そのぶん裁量を任せ自律的な働き方と仕事の工夫を求めるのです。結果として、多様な価値観や事情を抱える個人は、それぞれに目的意識を持って自分なりの役割を果たし、努力や成果を周りから認められながら充実感を持って働いています。

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